もしも願いが叶うなら

悠くんとまともに会話したのは
2日後、12月27日だった。

お母さんが死んでから
あたしは毎日泣いて自分を責めた。
ご飯はちゃんと食べれないし
夜はほとんど眠れなかった

悠くんは忙しかったのもあってか
ずっとなにも言わなかった
今思うと自分で立ち直るのを
待っていてくれてたのかもしれない










その日も眠れないまま朝が来た
でも取り敢えず起き上がって
トイレに行こうと部屋を出たら
キッチンから物音がした

気になったのでドアを開けると
焦げくさい臭いがした。


「おうさっちゃん。おはよ。」


悠くんが朝ごはんを作っていた


「もう少しでできるから、一緒に食べよう。」


「うん」

いつもだったら何か突っ込むところだけど
その時は何も言わず、いつもの席に座った








「できた〜」

そう言って机に真っ黒なトーストと
原型の分からない卵焼きを2つずつ
悠くんが机に並べた







少し沈黙になり








「ごめん。」

悠くんはちょっと泣きそうに言った。



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