もしも願いが叶うなら
9時半に目的地、お母さんのお墓に着いた
きちんとした時間は分からないけど
何となく毎年お母さんが死んだ時間に
お墓の前に2人で居れるようにしてる。
別に特別な何かはしない。
普通の一般的な墓参りをする
一通り掃除を終え、花も備えたら
悠くんが線香に火を付けて差し出した。
「はい。」
それを受け取ってお墓に差し
目をつぶってお母さんに話しかけた
『お母さん久しぶり。もう3年も経ったんだね。全然そんな気がしないよ..。あたしずっと、人間は死んだら魂なんて残らないって思ってた。だって心臓止まって力抜けたら終わりじゃない?幽霊なんて見たことないし、信じてなかった...。でもね、お母さんが死んでからいて欲しいって思った..。なんて、こんな話されても困るよね。ごめんねお母さん。悠くんとの生活も、高校もバイトも全部楽しいし、あたし毎日笑ってるよ。けどね?もう3年もたつのに、まだ分からないの。笑ってることが償いになるの?誰になんて言われたら、スッキリするのかな。ねえお母さん、もう1回喋りたいよ。せめて死ぬ前に少しでも...』
「さっちゃん。お腹空かないか?」
「え?」
泣きそうな声になった。
随分長い間あたしはお母さんに
話しかけていたみたいだ。