もしも願いが叶うなら
クリスマスの朝、目が覚めると
枕元に小さい長細い箱と
ちょっと大きい長細い箱が
2つ並べて置いてあった
あぁークリスマスか、と気付き
びっくりしたけど、内心嬉しかった
ベタなことするな〜と照れ笑いしながら
どっちがどっちを買ったんだろう?
とか考えながら、まず大きい箱を先に開けた
中身は財布だった。
すぐにどっちが買ったか分かった
嬉しくて早くお礼を言いたくて
急いでリビングに向かった。
「お母さーん!!!!」
呼びながらドアを開くと
悠くんがこたつでコーヒーを飲んでいた。
まだパジャマだった
「おはよ〜さっちゃん。サンタさんきたか?」
ちょっとニヤニヤしながら聞いてきた。
「来たよ〜。お母さんは?」
あたしもちょっとニヤニヤしながら答えた。
「可愛いだろ?あれ高かったんだぞ〜」
悠くんはあたしの質問に答えず
何かよく分からないことを
嬉しそうに語りだした。
それをぼんやり聞いていると
キッチンからお母さんの声がした
「桜おはよ〜。ご飯もう食べる?」
「うん!てか、ありがとう!財布!!!」
でかい声で答えながら、朝ご飯を
作っていたらしいお母さんの方に向かった。
「あれ?さっちゃん??」
後ろで騒いでいる悠くんは
取り敢えずスルーしておいた。