もしも願いが叶うなら

「けど、いざあんたんち行くと、あれ〜?みたいな。」

「全然元気じゃん。みたいな?」

「うん。びっくりしたよ。マジで。」

またつぶやくように由佳が言った。


「彼氏と別れたくらいでへこんでた自分が、凄いちっさい人間に思えたよ。」

「へこんでたの?えっ振られたの??」

こんな美人を振るやつの顔が
見てみたいって思った。

「振られたっていうか〜、別れる?みたいなことを言われた。」

「それを振られたっていうんじゃないんですか。」


「自然消滅の同意バージョンみたいな感じだったんだよ」

むきになって否定する由佳が
なんだか可愛かった。


そんな会話をしながら歩いてると
やっとお腹が空いてきたので
ファミレスに入った。

あたしがハンバーグドリア
由佳がオムライスとチョコパフェを
それぞれ注文したあと


「てか桜、彼氏作らないの?」


突然の由佳の質問に
水を飲んでいたあたしは
思いっきりむせながら答えを探した

「ゴホッえ〜?あんまり考えないなぁ。」



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