もしも願いが叶うなら


思い出しながらキッチンに入ると
もう机に朝ご飯が並んでいた。

「てか桜、顔洗った?」

早速トーストを手に持ったあたしに
お母さんはちょっとあきれた顔で言った。

「忘れてた〜。てか財布ありがとう!高いのに良いの?」

トーストを置いて洗面所に向かいつつ
もう1回お礼を言った。
満面の笑みって感じの顔で

「それだけ喜んでくれたら値段なんかいいよ。まぁ大事に使ってね。」

お母さんも満面の笑みで言った。
そういうサバサバした所が好きだった

「おばさんになるまでずっと使うよ」

「そうして!てか早く用意しなよ~!」

「は~い。」



急いで顔を洗って、
ついでに制服も着て、またキッチンに行くと
悠くんもご飯を食べていた。
ちゃんとスーツを着てた


「さっちゃん!今日あのネックレスして吹いてきてよ〜」


あたしも座ってご飯を食べ始めた。


「ネックレス??」

何を言ってるのか、よく分からなかった。

「えっ。おれっ、サンタさんの!プレゼントみた?」


そこで初めて悠くんの方を
開けてないことに気付いた。

「忘れてた。」


満面の笑みであたしは言った。


「ひどい!あれ高かったのに。さっちゃんに似合うと思って、勇気出して買ったのに」


サンタさんじゃないのかよ。
けどさすがにちょっと悪いと思った

「ごめん、今から見てくるよ。..てかいくらしたの?」

立ち上がりつつ聞いた
悠くんが騒ぐのでちょっと気になった。

「2000円!!!」

あたしはもう1回座って
またご飯を食べ始めた



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