もしも願いが叶うなら
部室に着くとほとんどみんな来ていた
緊張するね〜なんて話しながら、
バスに乗った
会場に着いて、
用意されている楽屋に荷物を置いて、
楽器を出して音出しやチューニングをして
顧問の話、部長の意気込みを聞いて...
本番までの時間はすぐに過ぎた。
10時になり舞台に立った。
あたしはトランペットをしていて
立ち位置は1番後ろだ
だから客席がよく見える。
それなのに来ると言ってた
お母さんの姿が見つけられないまま、
演奏会は終わった
アンコールもしてもらえたし
すごく成功で、みんなで喜びながら
楽屋に戻った。
昼からは同じ会場で高校生の
演奏会があるので
終わったのは1時前だった
すごくお腹が空いていた。
だけどご飯が食べれるのは
部室に戻ってからだった
早くお母さんのお弁当を
食べたいなぁと思いながら
なんで来なかったのかお母さんに
文句のメールをしようと携帯を開いた
「うわっ!!」
思わず声を出してしまった
「なにっ?どしたの??」
あたしの声にびっくりした
同じ楽器の美咲が聞いてきた
「今携帯開いたら、着信43件だった。しかも全部悠くんから」
「えっ何で!何かあったの?」
「分かんない」
「滝本さん!!!!!」
掛け直そうと通話ボタンを押すより先に
勢いよくドアが開いて、
顧問の大きな声が楽屋に響いた。