私は嘘で出来ている。
教授が入ってくると、有本君は真剣な表情になった。


彼曰く、苦手だから聞いてないと追い付かないのだそうだ。


懸命にノートをとる姿を、私はただ見ていた。


ずっとずっと、有本君でいればいいのに。


目が合うと、彼は「何?」と照れ臭そうに笑った。


< 125 / 210 >

この作品をシェア

pagetop