私は嘘で出来ている。
「ん?」


「私が男だっていうハンデは大きいのよね…」


確かめるように新菜のボタンを留める。


「でも私はもう京也と付き合うことはないよ」


「私に遠慮してるんじゃない?」


「ううん、本当にもう過去なの」


だって、君の身体にこんなにもドキドキしてる。


異なる感情が交差していた。


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