私は嘘で出来ている。
「びっくりした?」


「…少し」


「そんな顔してた」


新菜は笑っていた。


「でも園長先生にはまだ言ってないわ。もう私は学園を出てるし…時々は会いに行ってるけど、『新菜』では会ってないわね」


「そっか…」


「当分の間は秘密…後ろめたいけどね」


おやすみ、と言って新菜は布団に潜った。




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