私は嘘で出来ている。
「泊まったの?」


菫さんが驚いたように言った。


「もうニ回目だよね」


新菜が私の肩に頭を乗せる。


ユラさんはもう呆れ返っていた。


「まったく~ガァちゃんてば二人に相談するようなことでもないのに~」


「昨日泣いてたじゃない」


「ほら、泣かせたんでしょ。やっぱり言わない方が良かったのよ。火ぃ頂戴」


ユラさんが煙草を取り出す。


「ご心配なく。私はこんなことでヘコたれませんよーだ」


新菜がライターで火を点けた。


予想が外れたユラさんと新菜の間にも火花が散る。


でも、本当に気まずくならなくて良かった。


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