私は嘘で出来ている。
「何言ってるの?」


先生の顔は、困った表情からまたニコニコ顔に戻っていた。


「貴方は貴方よ。おチンチン取ったって、男の子の進ちゃんも女の子の進ちゃんも両方が貴方自身なの。無理にさよならしなくていいのよ。じゃないと先生寂しいじゃないの。手術をすることにはもう反対しないわ。進ちゃんが自分で決めたんだしね」


先生は新菜の手を握りしめた。


「ただ、女の子になっても先生のことは忘れないでね。貴方らしく生きてね。それが条件」


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