私は嘘で出来ている。
時折、厨房から新菜ちゃんのいるテーブルを見ると、マリモさんが丁寧に指導しているのが分かった。


橋本さんに煙草の火を差し出す新菜ちゃんの身体はカチンコチンで、なんだか微笑ましい。


「新菜ちゃん、どんな感じ?」


橋本さんに約束した、おつまみのイカ明太とポテトチップスをテーブルに運ぶ。


「市河さん!ヤバイよ!色々難しい!」


そう言う新菜ちゃんはかなり興奮していた。


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