私は嘘で出来ている。
「何、お酒駄目なの?」


「普段からよく飲むんだけど…今日はなんだか回るの早くて」


「緊張してたからじゃないかな。良くなるまで休んで」


「…市河さん」


「新菜ちゃんもガァ子って呼んで良いよ」


「でも人事さんだし…」


「人事が良いって言うんだから良いの。皆だって呼んでるし」


「じゃあ、ガァ子ちゃん」


「何?」


新菜ちゃんに呼ばれる『ガァ子』は一瞬で宝物になった。


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