私は嘘で出来ている。
「私、今日楽しい」


彼女は水を口に運んだ。


「緊張したけど、自分を隠さなくて良いんだって思ったら、何でも出来ちゃいそうな気がして、すごく気持ち良い!」


照れたように笑う新菜ちゃんを見ると、自分が惨めな気がして、いたたまれなかった。


でも、何がそうさせたのか。


自分でも分からなかったんだ。



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