私は嘘で出来ている。

「ガァ子、新菜連れて化粧品仕入れて来てよ」


和室から出て来たママが言った。


ドレッサーの前に並べてある共用の化粧品が残り少ないのだろう。


ママの言葉に、すぐ新菜ちゃんが反応した。


「ママ嫌だ!もう変身済みなのに、知ってる人に会ったらどうするの!?」


「バレないわよ。男の時と、アンタ別人だもの。それに裏がどんな仕事してるのか知っておくのも私達には大切なのよ」


「え~…」


「ほら行くよ」


私は支度をしながら彼女を急かした。




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