私は嘘で出来ている。
「なんと、私とお揃いだよ」


「ありがと!嬉しい」


途端に新菜ちゃんの目が潤む。


「え、泣くほど嬉しい!?」


予想以上の反応に少し慌てた。


「こうやって、友達と可愛いお店に入って買い物するのが夢だったの」


「うん、友達の印に、お揃いにしたんだよ。着けてね」


「ホントありがとう。お店戻ったらすぐ着ける!」


これは、ささやかな願掛け。


『君が私を愛してくれますように』


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