私は嘘で出来ている。
「有本君、うちのバーでバイトしてくれてるから」


「えっマジで!めちゃくちゃ見たいんだけど!行っても良い!?」


「駄目」


「やっぱりか~、真昼絶対に家に呼ばないよね」


「実家だから何かとね。お店も親がいるから気遣わせちゃうし」


この台詞、自分のために何度言ったかもう数えきれない。


でも、今はこう言わないと新菜ちゃんを守ることは出来なかった。


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