私は嘘で出来ている。
春色のキャンパスには暖かい陽が差し込み、早くも五月病を呼び込みそうな気候だった。


一部の不運な学生を除いては皆、進級する春。


私、市河真昼も無事に四回生となった。


授業も少ない。


この一年は卒業論文を仕上げれば楽に過ごせるだろう。


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