私は嘘で出来ている。
新菜ちゃんは日に日に上達していった。


各テーブルにヘルプに入っては自分の役割を認識し、実行に移している。


あの新菜ちゃんが、常に笑顔を絶やさないようになっていた。


「ママ、新菜ちゃんをそろそろ指名リストに載せても良いんじゃない?」


ママが私の肩を叩いた。


「さすが私の娘!分かってるじゃない。私もそう思ってたのよ。新菜!!」


キャッキャと騒いでいる群れの中から新菜ちゃんが抜け出してきた。


「今日からアンタの名前を指名リストに載せるからね」


「え?」


「お客様から指名が入るかもってことよ」


「あっ、はい!頑張ります!」


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