私は嘘で出来ている。
新菜ちゃんは完全にしょげていた。


「なんで~…?」


「まぁまぁ、気長に待とうよ。そうだ、私と一緒に受付でお出迎えしようか」


「じゃあ私もそっちに回ろうかしら」


アキラさんも付いてきてくれた。


「いらっしゃいませ~」


扉が開くと、見慣れないOL風の女性が三人。


オカマバー初体験なんだろう。


アキラさんを見た瞬間、固まってしまった。


「お姉様方、突っ立ってないで早く入んなさい」


アキラさんも、そんな反応は手慣れたもので、動じることなく誘導する。


お客様の視線が新菜ちゃんと私に向いた。


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