私は嘘で出来ている。
「それ、愛してないからよ。別れたら?」


「別れる理由がない」


口にするコンソメスープが徐々に冷めていく。


食べ物は出来立てが一番美味しい。


「『愛していない』立派な理由じゃない」


「でも一人になりたくない」


「ガァちゃんは弱虫ね」


新菜が頬杖をつく。


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