私は嘘で出来ている。
「ま、私が言うなって感じだけど」


「どうして?」


「男なのに女の子のフリしてる。大嘘つきよ」


新菜はあっけらかんと言ったが、どこか寂しそうで。


『そんなことないよ』と、その場限りのフォローは出来なかった。


「ところで、新菜の好きな人って?私の知ってる人?」


「ラグビー部の西神京也君。知ってる?」


また、秘密が増えた。




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