私は嘘で出来ている。
お店に出るとママが寄ってきた。


「真昼、遅かったじゃないの。あらやだ目が真っ赤…泣いたの?」


ママは、様子がいつもと違うと感じたら『真昼』と呼ぶ。


親の勘だそうだ。


「…新菜は?」


とにかく新菜に会いたかった。


「新菜?あの子熱出して寝込んでるらしいのよ。今日はお休みだって」


すぐにスタッフ専用のマンションに向かった。


「アンタもうすぐ開店よ!?」


ママが遠くでそんな感じのことを言っていたが、気にしていられなかった。


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