私は嘘で出来ている。
「で、賞金ていくらだったの?」


ユラさんが身を乗り出した。


「またアンタは金の話だよ…」


菫さんが呆れている。


「だって、気になるじゃない」


「えっと…」


「駄目だよ新菜、企業秘密」


うっかり言い出しそうな新菜を制す。


「いいじゃん別に~ガァ子ちゃんて本当ケチなんだから。そんなんじゃ彼氏に嫌われるよ~?」


「もう別れたんです!」


「うっそゴメン!洒落になんないじゃん!」


「なんだ、じゃあ新菜ちゃんと付き合えば?」


菫さんの言葉に場が静まり返る。


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