Everything
30分ぐらいだろうか。
ハルは泣き続けて。
やっと泣きやんだ頃には、もうすっかり辺りは暗くなっていた。
「・・・なんかあったの?」
ハルは首を振る。
「じゃあどうして泣いているの?」
「なんでもない、やっぱり送っていくよ」
ハルは話をそらすように小さな声で、でもしっかりそういった。
車を降りるとき。
「じゃあ、気をつけてね。我慢しないで、話したくなったら、いつでも聞くから。」
といってハルの方を見る。
ハルの顔が目の前にある。
当たったか当たってないかわからないくらいに唇を重ねると、私を抱きしめた腕は、想像以上に細くて。
「卒業するまではしないって言ってたじゃん」
「ごめんごめん」
そういうと、ハルは腕をゆるめて
「またね」
って、そういった。
だけど、その目は今にもまた泣き出しそうで。
精一杯
「うん、またね」
っていってみたけど。
私の声は震えていた。
発信源がわからない怖さと悲しさに、私は押しつぶされそうで。
いつもみたいに走り去っていく車を見ながら、私は緊張の糸がほどけたかのように泣いていた。
生涯最初で最後のハルとのキス、ハグ。
春とはいえまだ寒い夜の真ん中。
私たちは暖かかった。
ハルは泣き続けて。
やっと泣きやんだ頃には、もうすっかり辺りは暗くなっていた。
「・・・なんかあったの?」
ハルは首を振る。
「じゃあどうして泣いているの?」
「なんでもない、やっぱり送っていくよ」
ハルは話をそらすように小さな声で、でもしっかりそういった。
車を降りるとき。
「じゃあ、気をつけてね。我慢しないで、話したくなったら、いつでも聞くから。」
といってハルの方を見る。
ハルの顔が目の前にある。
当たったか当たってないかわからないくらいに唇を重ねると、私を抱きしめた腕は、想像以上に細くて。
「卒業するまではしないって言ってたじゃん」
「ごめんごめん」
そういうと、ハルは腕をゆるめて
「またね」
って、そういった。
だけど、その目は今にもまた泣き出しそうで。
精一杯
「うん、またね」
っていってみたけど。
私の声は震えていた。
発信源がわからない怖さと悲しさに、私は押しつぶされそうで。
いつもみたいに走り去っていく車を見ながら、私は緊張の糸がほどけたかのように泣いていた。
生涯最初で最後のハルとのキス、ハグ。
春とはいえまだ寒い夜の真ん中。
私たちは暖かかった。