Everything


次の日、腫れた目を必死に隠しながら学校に行ったが、じろじろ見られるし、変な噂は立つし、暗い顔で一日を過ごした。

夕方。

いつもならくるはずの5時になっても、ハルは来ない。

それはまるで、信じたくないことがおこってしまったようにも思えた。

6時・・・7時・・・と進んでゆく時間の中。

ついに私は力尽きてその場に座り込んでしまった。

寒くて、情けなくて、どうしようもなくて。

やっと私を照らした車のライトの色は、ハルの車のものではなかった。

でも、見慣れた車。

「彩」

そういいながら急いで降りてきてくれたのは、お母さんだった。

「お母さん」

「寒かったでしょう。早く車に乗ろう?」

「・・・る、は?」

「え?」

「ハルは?」

一瞬困ったような顔をしたお母さんだったけど、すぐに

「晴琉くんはね、お仕事の都合で海外に行ったの。もう迎えにはこれないの。」

そういうと、私の肩を抱いて車に乗せてくれた。
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