恋時雨
都
二人はあれから、都に出かけようと約束し、三日がたった。
「あ、安時様」
初香の声に、安時は目を見開いて駆け寄った。
約束よりも早い。
それなのに。
「待ったのか?」
安時が心配そうに尋ねると、初香はクスッと笑った。
「いいえ。行きましょ?」
初香は、それだけ答えて歩き出した。
安時の手を握って。
それから、簪(カンザシ)や化粧品を見たり、刀や雑貨を見たりもした。
そして、夕暮れになった。
二人で、石に腰掛けて夕日を眺めた。
「次はどこに行きたいんだ?」
安時は、愛おしげに初香を見つめた。
「海ーー…」
滅多に見れない海…。
あの広いと聞く海に、行くというのか。
「あ、安時様」
初香の声に、安時は目を見開いて駆け寄った。
約束よりも早い。
それなのに。
「待ったのか?」
安時が心配そうに尋ねると、初香はクスッと笑った。
「いいえ。行きましょ?」
初香は、それだけ答えて歩き出した。
安時の手を握って。
それから、簪(カンザシ)や化粧品を見たり、刀や雑貨を見たりもした。
そして、夕暮れになった。
二人で、石に腰掛けて夕日を眺めた。
「次はどこに行きたいんだ?」
安時は、愛おしげに初香を見つめた。
「海ーー…」
滅多に見れない海…。
あの広いと聞く海に、行くというのか。