恋時雨
森に着くと、木に寄りかかった初香がいた。

下を向いているから分からないが、何となく泣いている気がした。


「初香…?」

安時が声をかけると、初香は顔をあげた。

涙でぐちゃぐちゃな顔だ。

「うっうぅ…安時様ぁ…っ」

初香は、安時に飛びついてきた。

本当に何かあったのかと、心配になる。

「どうした…?」

安時が、初香を離して見つめる。
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