はつ恋
そこへ岬が入って来た。


私たち三人を見た岬は異様な様子に気付き、「何かおとりこみ中みたいで失礼します。」と出ていってしまった。


岬行かないでよ。


新井は岬が出て言ったのを確認すると、「森島返事はすぐでなくていいから。俺気長に待つからな。」と保健室から出て行った。


私は呆然と立ちつくしたまま。


佳祐に「亜子!」と声を掛けられ我に帰る。


「佳祐今のは何?」


「何って新井先生は亜子が好きって事だろう。」


「好きって恋愛感情って事。」


「当たり前だろう。他に何がある?」


だって無理だよ。私佳祐と付き合ってるし、まぁ佳祐も先生だけど、頭が回らない。


「亜子早退するか?」


したいけど佳祐は大丈夫?佳祐が思っていた通りになってしまった。


「佳祐ごめん又心配かけちゃって。」


「亜子が悪い訳じゃないから、新井のやつ俺の前で堂々と亜子が好きだ。なんて言うから、焦ってしまった。」



「俺の方が先に亜子が好きになった。俺たちは付き合ってるって叫びそうになったよ。」



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