はつ恋
高校一年の冬光太を待たないで一人で帰った。



暗くても慣れた道だから平気だと思った。



だけど気がついたら、誰かが後ろからずっとついて来る。



私は怖くて走った。だけどその後ろから追って来た男にすぐ捕まってしまった。


その男にものすごい力で暗い公園の中へ引きづりこまれた。


大きな声出さなきゃと思っても、体中が震え思うように声が出ない。



それでも私はこのままじゃ嫌だ。助けて光太。私は思いっきりの声で「光太!」と叫んだ。



次の瞬間私を掴んでいた男の手がするりと離れた。



光太が私を抱き締めてくれている。



私は助かったんだ。



光太はものすごい顔で私を睨み「あれだけ待ってろと言ったのに。」



私は涙がボロボロと溢れ光太に抱きついた。



男は光太に殴られ倒れている。



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