はつ恋
私の初恋。それは恋とは言えなかったのかも知れない。


小学校五年生だった私は、隣に住むお兄ちゃん足立佳祐君に毎日勉強を見てもらっていた。



多分佳祐君は今の私ぐらいだったと思う。



私は一人っ子だったから、本当のお兄ちゃんみたいに思ってた。



あの日私は算数の教科書とノートを持ってお兄ちゃんのとこへ行った。



嬉しくて二階にいるお兄ちゃんの部屋まで一気にかけあがり、思い切りドアを開けたんだ。



そしたらそこに、長い髪の綺麗なお姉さんと佳祐君がキスをしていた。



私はびっくりして、教科書もノートも放り投げてその場から逃げた。



今でもその二人がキスしてる場面が夢に出てくる。



その後の事はあまり覚えていない。



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