はつ恋
ずっと泣いていた。胸が苦しくてうまく呼吸が出来なくて、これが恋なんだと始めて思った。



今だにそんなふうに、胸が苦しくなるような恋なんてしていない。



なんか思いにふけっていると、隣の光太につつかれた。



「亜子何ボーとしてるんだ。担任が来たぞ。」



担任なんて別に誰でもいいし興味ないから。



でも私の席はど真ん中の一番前、見たくなくても目にはいるよ。



ガラーッとドアが開き、若そうな男の担任が入って来た。



そして私の目の前にその人は現れた。



私はその人から目を離す事が出来なかった。



何故ならそこにいたのは、私の初恋の人、足立佳祐だったのだ。



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