はつ恋
なんだかそんな二人を見て、微笑えんでしまった。


私たちは駿君とさよならをして歩きだした。


光太が私の手を握る。私もそれに答える。


光太が「部活大丈夫だったか?胸くるしくならなかったか?」


「うん平気だったよ。岬も真理もいたし、それから渡邊先輩とも話したしね。」

「何で渡邊先輩と話したんだ?」


光太は何を言いたいのだろう。


「だって渡邊先輩は部長だし、話しくらいはするよ。」


光太私の手をぎっと握る。「渡邊先輩は亜子の事好きだから、俺は心配なんだ。」

「光太何心配してるの?渡邊先輩は弓道部の部長で私は部員だけの関係だよ。」

「亜子は何も知らないだけだ。あいつは、俺に亜子と付き合っているか?と聞いて来た。俺はそうだ!と答えた。」


「それはいつ?私聞いてないよ光太。」


「俺はいつか亜子が、俺から離れて行くかと思うと怖くて、みんなが亜子の事好きになるし、俺だけの亜子でいてほしいのに。」


光太私何も知らなかったよ。私が佳祐の事思うように、光太も私の事思い続けてくれたんだね。


ごめん。光太許して光太の気持ち知ってる癖に、佳祐に好きだと言ってしまった。


< 63 / 249 >

この作品をシェア

pagetop