はつ恋
たけど俺は亜子に何もしてあげられない。


こうして、そっと見守る事しか出来ないのだろうか。

亜子ともっと話したい。亜子をもっと知りたい。この手で亜子を抱き締めたい。

俺は教師なのにこんなんじゃ駄目だな。でも俺は我慢出来ずに亜子の携帯番号を押していた。


亜子の声が聞きたい。


中々出ない。しばらくすると、「もしもし誰? 」


「俺だよ。分かる?」


「佳祐なの?携帯番号どうして分かったの?」


「連絡網に載ってたから、それ見てかけた。」


「そんな事していいの?」


「よくはないが、我慢できなかった。亜子の声が聞きたくて。」


「佳祐って案外子供だね。」

「恋するとみんな同じさ。会いたいし、抱き締めたいしキスしたいし。」


亜子は何も言わない。


「ごめん亜子。俺亜子を苦しめてばかりいるな。」


「佳祐私、ううん何でもない。 」



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