はつ恋
ﾎｰﾑﾙｰﾑが終わり、佳祐が教室から出る時私を呼んだ。

私が立とうとすると、光太がそれを止める。｢行くな。｣


私は動けない。


佳祐が｢その手冷やした方ががいいよ。保健室に行くように。｣


光太が｢俺が連れてきますから、足立先生は授業へ行って下さい。｣


光太は今度は左手を持つ。

｢光太私一人で行くからいいよ。｣


｢駄目だ一緒に行く。｣


岬が、｢光太心配し過ぎだよ。国語の授業始まるし、亜子急いで行ってきな。｣

私は一人で教室を出た。


佳祐が私の隣を歩く。


何も言わなくても佳祐には、今の私の気持ちが分かるようだ。


｢無理するな。｣と佳祐は言い職員室へ入っていった。

私と佳祐が並んで歩く姿を、光太が見てたなんて知らなかった。



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