Star Dust ~星のカケラ~
「これで少しはマシになったろ」


「あ、あ、ありがとうございます。ご、ご、ごめんなさい」


自分が置かれている状況に気がつき、慌てて手を離した。


「どうかしたのか?」

「なんか眠れなくて。廊下に出たんですが、迷って部屋に戻れないんです」


パチン。何かを外す音がする。


長い銀色のマントが私を被っていた。


「ないよりいいだろう」


そう言われて初めて自分が震えていることに気がついた。


「来い」


思わず、レイの手を掴んだ。


「ご、ごめんなさい。腰抜けちゃいました」

小さなため息が聞こえたと思うとふわりと体が浮いた。


「カ、カーソン隊長?」


「…レイ、レイで良い」


は、恥ずかしい。


まさにお姫様抱っこ状態……


「どのくらいあそこにいた?かなり体が冷たくなってる」


お、怒ってます?


そ、それとも……本当にまさかだけど、心配してくれてる?


でもかなり怖い顔してる


「わ、わからないです」


ガチャン。


レイが扉を開けると視界に自分がいた部屋が見えた。

そっとベッドに座らされる。


「ちょっと待ってろ」


部屋を出て戻ってきたレイの手にはカップが握られていた。



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