彼はぺっと

――始業式が終わり、教室には私と美那夏を含んでも少なかった。

「あれ、美那夏…それ……」

「なぁに?」

私は美那夏の左手薬指をまじまじと見た。

「あぁ…
沙羅、これ気になるよね(笑)
良平から貰ったのっ!!」

「そっかそっか」

美那夏は幸せそうに笑っていた…
美那夏の頭を優しく撫でると、
美那夏も私の頭を優しく撫でた。

「あれ…美那夏ー
帰るぞー

って沙羅ちゃんと話してた?」

「ほら美那夏、
愛しの良平君が来ましたよ?
行かないの?」

「…ごめんね沙羅」

「いいよいいよ
また明日ねっ!!」



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