彼はぺっと
沙羅を抱き上げて布団に戻す。
キッチンにあった体温計と風邪薬を持ってきて、
沙羅に渡した。


やっぱり、
熱があった…
これじゃ飯は無理だな…


「は…る……」

「喋んな、今お粥作るから」

――キュ…
俺の白い半袖シャツの端を引っ張った沙羅。

「い…かないで…ケホッ…」

「大丈夫か?」

背中を擦る。
ずるずると離れた沙羅の手。
思わず手を取った。





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