彼はぺっと

家に着いてから
ソファに座る春樹は私を手招きした。

「なに?」

「いいから」

春樹の隣に座る。

「沙羅…」

―ドキッ
春樹の横顔がかっこいい…。
ふっとこっちを向いた春樹。
驚いて反射的に背筋を伸ばしてしまった…

「…なにやってんの」

その顔は明らかに呆れてるだろ!!

「なぁ…沙羅…今から俺が言う話を聞いても引かない?離れない?」

「え?春樹のとこから離れたくなんかない…」

あ…
無意識だった…
春樹は一瞬ビックリした顔をしてすぐにニコッと笑った。

「俺の…沙羅と出会う前の話なんだけど…
沙羅には言えるから…
聞いてほしい…」


ゆっくりと春樹は話始めた…
奴隷みたいに扱われていた話
胸の火傷のこと
お金のことも

全部、
全部聞いた。
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