日だまり
盛り上がりすぎたカラオケは、森山の「腹減んね?」の一言でお開きになり、腹減った腹減ったをしつこいぐらい繰り返してる森山の為にファーストフード店に行くことになった。
やっぱあの4人といると
目立つなー…
まあ4人ともイケメンだしな。
陽輝と悠斗はもちろん、森山と西田も馬鹿でうるさいけど、顔だけはいい。
通り過ぎる女の子皆見てるよ!
ついでに言っちゃえば、一緒にいるあたし達に刺さる視線がすげー痛い。おー怖。
この状況で堂々と手を繋げる夏季はただ者じゃないだろう。
「おい森山。デレデレしてんなよ、キモい」
……紗耶さん!?
あなたもですか!?
顔に似合わない毒舌を吐いて、後ろから森山を蹴っ飛ばす紗耶も夏季に負けないぐらい大物に違いないと静かに悟った。
「…皆元気だね」
「うわっ!陽輝か…」
「うん」
あなたはいつの間に隣に!?
あっそうだ!
一緒に歩いてるついでに、さっきの疑問を聞いてみることにした。
「あー…そういえばさ、陽輝って紗耶のこと名前で呼んでなかった?」
「俺?ううん。呼んだことないよ」
「あれ?そっか」
「つーか俺…」
言葉を切ってあたしの方を振り向くと、殺人的にカッコイイ笑顔を見せる。
「名前で呼んでる女、優歩だけだし」
「…」
時が止まった気がした。
そのあとに「陽輝って呼んでる女も優歩だけ」という言葉モリヤマ追加され、本気で失神しそうになった。
もうずっきゅんどころの騒ぎじゃない。
ぶっ壊れんじゃないかと思うぐらい心臓がバクバク鳴った。
……こ、殺す気ですか!
嬉しいけど!嬉しいけども!
あたしいつか殺されるんじゃなかろうか!?
あの笑顔は悩殺…いや瞬殺だ。