あなたが探偵?私が助手?
「守村さん、どうしてここに?」
ぉっと、性悪男、癪だが同意見だよ。
「そうね、なんで?おばちゃ……」
「“伍未ちゃん”でしょ?清香ちゃん。」
「ご、ごめん。で、なんで?」
伍未ちゃんは“おばちゃん”とか言うの、許さない人。
「かわいい姪がどうなってんのかなぁって思ってさ♪で、やるでしょ?」
「やらない」
スッパリ。
「ど、どうして!?」
「やだから」
「何が!?」
「この性悪男の下で働くのが」
頼まれてもヤダね。
「そんなぁ!時給イイのよ?」
金ねぇ…
確かによいわな。
けど…
「イ・ヤ」
「ダ・メ♪♪」
は!?
何を言うか、四十路前のくせに。
「なんで?」
「年頃になっても彼氏の1人もできない姪のため。」
黙れ。
悪うございましたな。
「意味わかんない」
いつのまにか小声で話してた。
「だーかーら♪あの2人の中から彼氏作んの。」
あぁ…やっぱり…
伍未ちゃんがバイト先を紹介した時点で気づくべきだった。
今更遅いか。
「ねぇ。」
ーびく
性悪男に声かけられた。
「な…何」
「アンタ、働くの?働かないの?」
「働かない」
そう言おうとしたら、伍未ちゃんに先越された。
「働くわ♪これからよろしくね♪冷泉。」
「ん、よろしく。」
「よろしく~♪清香ちゃん。」
と、言うワケで…
「よろしくお願いします……」
[桐谷探偵事務所]、今日から守村清香、働きます!