あなたが探偵?私が助手?
序章
学校が終わり、雨が降るのと木霊するように憂鬱が始まる。
あぁ、またこの時間が来てしまったか……
私は今、
一つのドアの前に立っている。
覚悟を決めろ。
守村清香。
たった四時間だけじゃないか。
そう!
四時間だけ……!
だから……
開けろ!私!
よし……!
ーガチャ
「こんにちは~…」
「あ、ゃほ☆清香ちゃん♪」
笑顔で迎えてくれたのはもちろん、
向井さん。
「清香ちゃん!?濡れてるよ!?」
向井さんが驚く。
確かに、私はずぶ濡れ。
朝、降ってなかったから、カサ忘れた。
あーぁ…最悪。
「ぁー…カサ忘れちゃって…」
「今朝は降水確率70%だったが、天気予報を見てなかったのか。」
と、性悪男が言った。
チッ、ムカつく男。
私の憂鬱の原因。
この男、桐谷冷泉はことごとく私のムカつく所を突いてくる。
かなーり、嫌な奴。
私は男嫌いだが、
キチンとその人を知ってから『好き』か『嫌い』を決める。
その結果……
桐谷冷泉!!!
お前は『嫌い』通り過ぎて『大大大大大大嫌い』だ!!!!