あなたが探偵?私が助手?
「~~~~~~っっっ!!!!」
階段から落ちた。
後頭部を三回ぐらい打った。
本当に痛い時って声、出ないんだな…
「だ、大丈夫なの!?清香!?」
「いったそ~」
清羅姉と清亜が駆け寄ってくる。
後頭部いてぇ……
さすさすと後頭部を撫でる。
玄関を見ると、桐谷さんと向井さんがいた。
ぉりょ?
なんか桐谷さんがこっちに寄ってきてる……?
「まったく…」
溜め息をついた桐谷さん。
ーぐぃっ
ふぇ?
桐谷さんに右手を掴まれた。
桐谷さんの顔が近い。
「ホント、ドンくさいな。お前は」
「へ!?ぁ、」
桐谷さんの形のいい唇が動く。
ぅ”わ”
そんな整いすぎた顔で、近くに寄るなーーっっ!!
「お前、スッピン?」
「え」
ぎく。
今日もリップだけ。しかもあの1?0円の。
「またかよ、面接までスッピンだったろ。」
「バレてました…?」
「探偵なめんなよ?」
そうか、さすが探偵……
「なーんて♪あんな貧相な顔、探偵じゃなくてもわかるぜ。スッピンて」
ピキ(怒)
桐谷さんが私を離した。
「化粧してこいよ。待っててやるから。スッピンちゃん?」
ぶち(怒)
「き~り~た~り~!!!!」
ブッ殺す!!!!
「去ね!!」
ーボゴッ
確かに、殴ったぞ。決まった。
けど……
「ぃたい……」
「ごめんなさい‥“向井さん”。」
「惜しかったね?スッピンちゃん♪♪」
そう、私が殴ったのは桐谷さんではなく向井さん。
危機一髪の時に、近くにいた向井さんを盾にしたのだ。
なんて奴……