あなたが探偵?私が助手?
「ねぇ…?清香ちゃん…」
耳元で囁かれる。
気持ち悪い。
だから嫌いなんだ。
男は。
ーゴッ!!
鈍い音がして、きしょい手が私から離れる。
見ると、葉月さんの頭を伍未ちゃんが抑えて……
指が食い込んでる。葉月さんまで黙っちゃったじゃん。
「ぐぁ……」
あーぁ、ホラ、
痛がってんじゃん。最高の気分だね。
桐谷さんも同じみたいで、不敵に笑ってる。
そんな顔も……
かっこいんだよね。
チキショ。
顔良すぎ(怒)
「あ~ん~た~ね~?何してんのよ!清香は冷泉と付き合うんだから!!!」
「「は???」」
私と桐谷さんの声が重なる。
え?
息ピッタリって?
ちがうって、
これは……
いや、いい。
今はこのさいどうでもいい。
ほっといてくれ。
「伍未ちゃん!勝手な事、言わないで!!」
「勝手?いーじゃない別に、この前2人が相合い傘してる所見たんだから。」
相合い傘?
あぁ、あの時か、
あの時とは私がずぶ濡れでバイト来て、初めてあの挑戦状を見た時の事。
あの後、
私は傘を忘れたから、帰り道が一緒だって言っていた桐谷さんの傘にいれてもらった。
と、ゆーか見てたんか!!
コワいな!
ストーカーかよ!
そして桐谷さん、無言はやめれぇぇええぇぇえっっっ!!!!
「ちがうって、あれは……」
「にぎやかですね、皆さん。」
訳を説明しようとしたら、あの人が来た。
叶薫。
涼しい顔して、頭の中で何を考えてるのか、わからない。