あなたが探偵?私が助手?




この事を守村に話すと……



「じゃあ犯人は、もしかしたらこの屋敷にいるかもしれないのね…?」



「分からない。外部の人間かもしれない」



だが、外部の人間の犯行だと言う可能性は低い。



この屋敷は森の奥にある。
辺りに民家はないし、調べてみたが、この近くには家がない。



ここまで来るのには車でしか方法がない。



だが、そうなら気付くだろうし、



俺達も探偵だ。
他の奴らよるかは注意深い。




「ねぇ…?所長……」



「ん?」



「由佳里は、死んでるの…?」



何も言えなかった。



確かに、事件から三年だ。
生きている可能性は低い。だが……



その答えを、真実を知ったら、コイツはどうなるんだろう。




確かに、映像には死んでいるとも生きているとも言っていない。



ただ、この屋敷のどこかにいる浜野由佳里を探す事……



誘拐した犯人を見つける事……



そう言っただけだった。



「言って。」


「…確証はない。ただ三年もなると……」



これ以上は言わなかった。




守村の顔が、悲しそうに歪んだからだ。



「そぅ……」



俺達の間に、静寂が流れる。



降り続けている雨だけが、静寂を隠していた……










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