あなたが探偵?私が助手?
けど、桐谷さんは呆れた様な、ガッカリした様な、そんな表情で笑っていた。
私、
変な事言った……?
「なるほどな、そういう意味か。」
と、肩を震わせて笑っていた。
「どうしたんですか?」
「いや、なんでもない。クク…」
なんでもなくて、そこまで笑えるか、バカヤロウ。
「期待した俺がバカみたいじゃないか。どーしてくれんだ。バーカ。」
そう言って、桐谷さんにでこぴんされた。
けどそんな痛みもなんだか心地よくて、思わず笑ってしまった。
そんな私に桐谷さんは「ヤバいな」と言って、顔を背けた。
だから何なんだ。
そうしていると、
ドアを叩く音がして、伍未ちゃんと向井さんが入ってきた。
「清香ー!!ゴメンね、大丈夫!?」
そう言って伍未ちゃんが抱きついてきた。
グェ、
苦すぃ……
「急に倒れたからびっくりした。」
向井さんが私の顔を覗く。
やっぱ、今ふと思ったけど、向井さんはカッコいい。
色素の薄い瞳が柔らかく私を見つめる。
桐谷さんの様な強く、芯の通っている目と似てる。
性格が全く違うと思った2人が何で仲が良いんだろうと思ったけど、
分かる気がする。
この2人、
根本的な所で似てるんだ。
こう言ったら、桐谷さんは怒るかもしれないけど、
似てる。
どこがって言われたら困るけど、
雰囲気とかじゃなくて、どっか似てるんだよな……
「ぁれ?清香ちゃん、泣いたの?」
私の目は赤くなっていた。
まぁ、
あれだけ泣けば、ね……
「なんですって!冷泉!アンタ清香に何したの!!」
伍未ちゃんがキッと、桐谷さんを睨む。
いや、桐谷さん悪くないし……
どっちかと言うと、私が悪いんだよな。勝手に泣いたし。
けど、伍未ちゃんが聞くとは思えなかったし、言わなかった。
うん、
桐谷さんゴメン。
私にも伍未ちゃんは怖いんだよ?
「何したの!?まさか、まさか……!!」
伍未ちゃんが青ざめてる。
「確かに鳴いたよ?」
泣くの字が違う気がする。
「可愛かったよ?」
と、妖しく笑った桐谷さん。
なんつーフェロモン……!!