あなたが探偵?私が助手?





~19--年





ある日、1人の男がこの屋敷に来た。



当時、この屋敷はホテルとして経営していた。



彼はみすぼらしい格好をしていた。



この屋敷は高級で、一般の人間が泊まれる場所ではなかった。



当然、支配人は断った。
男を見て、金が無いと判断したのだろう。



すると男は、
懐に忍ばせていた拳銃を取り出した。
銃口を支配人に向け、こう言った。



『金はある。』



そして、十枚の一万円束を床に放り投げた。



支配人は、
断る事が出来なかった。



男は拳銃を懐にしまい、『一つの部屋に、客を全員集めろ。』と言った。



支配人は言う通りにした。



客だけではなく、ボーイ、コック、メイド、全員集めた。



男は不適に笑うと、こう言ったそうだ。



『さぁ、楽しい“ショー”の始まりだ!!!』



刹那、男は金をバラまいた。



床に舞った金を拾う人間……



彼は大声で笑った。



『醜い、醜い醜い醜い!!実に不愉快だ!!!!』



拳銃を抜いた。



“バァァァアアン!!!”



キャーッと騒ぐ人間。



男は次々と拳銃を抜いた。



笑い、血を流す者達を見て、



彼は全員殺した。
逃げる者、必死で助けを求める者、泣き叫ぶ者、全て……



屋敷に、生きている人間は男以外居なかった。



男は返り血で紅く染まった。



無差別だった。



ただ、金持ちが嫌だった。



彼は警察に捕まり、死刑となった……



拳銃は買い、金は銀行を襲ったらしい。



1人で出来る犯行では無かった。



だが、
男はそれをやった。



鮮やかで、一瞬だった……



その凶悪殺人劇は、男の死で、なんとも呆気なく、幕を閉じた………










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