あなたが探偵?私が助手?
「ゆ、かり…?」
私はそのまま立ち尽くしていた。
桐谷さんは私に見せまいと、私をこの部屋から出そうとしたが、私はそれを振りほどいた。
「清香…」
「なんで?」
由香里の姿は、
私がずっと見てきた元気で明るく可愛かった由香里ではなく、酷い物だった。
所々、皮膚が壊死し、骨がでてしまっている。
髪はボサボサで抜けていた。
服には血が付いていて、それが由香里のものだとわかる。
けど、
この死体が由香里だとは言い切れない。
だけど、わかってしまったの。
ここにいるのは由香里だって……
由香里は左手の小指が無くなっていた。
そこにはかつて、叶から貰ったピンキーリングがはめられていた。
ピンキーリングどころか、小指まで無いのだなんて……
酷い。
酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い……!!
「許せない…!」
唇を噛む。
噛み締めすぎて、じんわりと鉄の味が口内に広がる。