あなたが探偵?私が助手?
「許せない……!」
目に涙を溜めながら、私は部屋を出た。
「清香っ!!」
桐谷さんの声が聞こえる。
けど、それも無視して私の足は止まらない。
「…清香!!」
桐谷さんに腕を掴まれ、足が止まる。
私はそれを振りほどこうとしたけど、強い力で掴まれていて、ほどけない。
「離して!!」
「どこへ行く気だ!」
「決まってる!叶の所よ!!アイツが由香里を……」
「まだ決まった訳じゃない!!深追いするな!」
違う!!
そうに決まってる!!
アイツが……!!
「桐谷さんに…何が分かんのよ!!」
突然、大切な人がいなくなる怖さ。
もう、会えなくなる辛さ。
「…………っ」
わかる訳、ない。