あなたが探偵?私が助手?





「許せない……!」



目に涙を溜めながら、私は部屋を出た。



「清香っ!!」




桐谷さんの声が聞こえる。



けど、それも無視して私の足は止まらない。



「…清香!!」



桐谷さんに腕を掴まれ、足が止まる。



私はそれを振りほどこうとしたけど、強い力で掴まれていて、ほどけない。



「離して!!」


「どこへ行く気だ!」


「決まってる!叶の所よ!!アイツが由香里を……」


「まだ決まった訳じゃない!!深追いするな!」



違う!!
そうに決まってる!!


アイツが……!!



「桐谷さんに…何が分かんのよ!!」



突然、大切な人がいなくなる怖さ。



もう、会えなくなる辛さ。



「…………っ」



わかる訳、ない。






< 85 / 124 >

この作品をシェア

pagetop