こいつと面会したいんです
つぎの日。

ジャンはまた、面会室にやって来て、
口を開くなり、こう言った。

「あやまってくれ」

犯人はびっくり。
「あやまる?誰に?」

「妹に」
ジャンは言った。



犯人がつぶやく。
「妹はもういないから、
あやまったって意味ないわ」

ジャンは涙を浮かべながら、
台なしにされた妹の人生や、
どんなに苦しんだかを
これでもかと語った。

犯人は言った。

「この世じゃ聞こえないでしょうから、
あの世に行ったらあやまるわ」

ジャンは、とぼとぼ帰っていった。



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